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エルサルバドル政府のビットコイン購入が成功しているか検証する

2021-12-24

エルサルバドル政府はビットコインを買い増しすると、ブケレ大統領がツイッターで購入したことを発表します。暴落したときに購入するケースが多く、一貫した戦略で購入していると思われます。

購入日時と枚数が公表されているので、そのデータをもとにして損益はどの程度かを推測することができます。

この記事では、エルサルバドル政府のビットコイン投資は成功しているのかを検証します。

エルサルバドル政府のビットコイン購入方針について

エルサルバドル政府のビットコイン購入方針は、ビットコインが暴落したときに買い増しするというものです。仮想通貨に限らず、積み立て投資では暴落時に多くの量を買い増しすることができるので下落に強いとされています。

エルサルバドル政府のビットコイン投資がうまくいっているかどうかということですが、結論を書くと、2021年末の時点ではわずかに含み損が出ています。

とはいえ2021年12月の記録的な暴落があったうえでの含み損なので、投資としては大きな失敗ではないでしょう。

エルサルバドル政府のビットコイン購入の背景

なぜ、エルサルバドル政府がビットコインを購入しているかということについてですが、エルサルバドルのビットコイン法によるものです。

ビットコインが法定通貨として承認されたため、政府がビットコインを購入することが可能になっています。

2021年末時点で、エルサルバドル政府のビットコイン総保有量は1391枚となっています。日本円にすると約80億円です。

2021年にエルサルバドル政府が購入したビットコインの詳細は以下のようになっています。

購入日購入枚数(BTC)総保有枚数(BTC)
2021/9/7400400
2021/9/8150550
2021/9/20150700
2021/10/284201120
2021/11/261001220
2021/12/41501370
2021/12/21211391
エルサルバドル政府のBTC購入歴

2021年9月7日にビットコインが施行されて以来、ビットコインの購入を続けています。売却は全くせずにひたすら買い増しを続けています。

エルサルバドル政府がビットコインを購入するたびに、ブケレ大統領がツイッターで購入枚数を公表します。購入価格は明らかにしないことが多いのですが、暴落後の購入なのでだいたいの価格を推測することは可能です。

このデータからビットコインの購入レートを計算して、エルサルバドルのビットコイン投資がうまくいっているか検証します。

エルサルバドルのビットコイン購入時のツイート

以下はビットコイン購入時のブケレ大統領のツイートです。暴落後にツイートされることが多く、毎回反応が早いです。購入前後の仮想通貨市場の状況についても少し解説します。

9月7日 400BTC購入

200BTCを2回に分けて購入したことが発表されました。

9月7日はエルサルバドルデビットコイン法が施行された日となり、世界初のビットコインが法定通貨となった日でもあります。

9月8日 150BTC購入

ビットコインが大きく暴落したためか、機能に続けて追加で買い増しすることを発表しました。

9月20日 150BTC購入

ビットコインは40000ドルを割り込むところまで暴落しました。9月7日の暴落前はビットコインの価格が50000ドル以上だったので、約20%値下がりしたことになります。

10月28日 420BTC購入

1日で420枚も購入しました。エルサルバドル政府の1日当たりの購入量としては最も多いです。この時期になるとビットコインが60000ドルを超える水準になったので大きな含み益がありました。

11月26日 100BTC購入

ビットコインが当時の史上最高値を更新した後の暴落です。ビットコインの価格が55000ドルを割り込み、弱気な動きとなりました。

エルサルバドル政府がビットコインを購入するのは約1か月ぶりです。

12月4日 150BTC購入

ビットコインの記録的な大暴落が起きた日です。ブケレ大統領購入枚数だけでなく購入レートも公表されました。

12月21日 21BTC購入

この日の購入は暴落によるものではなく、年末を記念しての購入という意味合いが強いようです。21という数字にこだわって購入しました。

購入枚数だけでなく、ビットコインを購入したときの領収証もツイートしました。

ビットコインの購入レートについて

ビットコインの購入日と購入枚数は公表されていますが、購入レートは正確にわかっていないものも多いです。なので、その日の終値でビットコインを購入したとにします。レートはバイナンスの価格を参照しました。

購入日購入枚数(BTC)購入レート(ドル)
2021/9/740046864
2021/9/815046048
2021/9/2015043016
2021/10/2842060576
2021/11/2610053727
2021/12/415048670
2021/12/212148890
エルサルバドル政府のBTC購入レート

エルサルバドル政府は1391枚のビットコインを約7124万ドルかけて購入したことになります。

ビットコインの総保有枚数1391枚に対して、平均取得価格は51220ドルとなりました。つまり、ビットコインのレートが51220ドル以上になれば含み益が出ているということになります。

2021年末のビットコインの終値が約48000ドルなので、1枚あたり3220ドルの含み損が出ている状況です。

12月4日にビットコインが暴落したため、そこを境に含み益から含み損へと変わってしまいました。それ以前は大きな含み益となっていました。とはいえ、暴落がきても含み損がわずかにあるだけなので、エルサルバドル政府の投資法は理にかなっているといえるでしょう。

定量で積み立てをした場合を考える

エルサルバドル政府のビットコイン購入枚数は定額ではありません。そこで定量でビットコインを購入した場合を考えてみます。

購入日購入枚数(BTC)購入レート(ドル)
2021/9/7146864
2021/9/8146048
2021/9/20143016
2021/10/28160576
2021/11/26153727
2021/12/4148670
2021/12/21148890

購入するタイミングはエルサルバドル政府と同じですが、購入枚数を1BTCで固定します。

すると、ビットコインの取得平均価格が49700ドルとなりました。つまり、ビットコインの価格が49700ドル以上なら含み益の状態です。12月4日の暴落後は含み損となっている期間が長くなっていますが、12月23日に50000ドル以上に回復したため含み益がある状態もありました。

暴落しても含み益がある状態もあるという結果になったので、定量での積み立ては非常に堅実な投資法といえるでしょう。

まとめ

エルサルバドル政府のビットコイン投資は含み損が出ている状態でした。結果論になってしまいますが、もし定量で積み立てをしていたら、含み益がより大きくなっていたことでしょう。

それでも、暴落が来ても含み損はわずかなので投資としては大きな失敗ではありません。購入枚数次第では含み益となっている可能性もあったわけです。今回の検証では定量での積み立て投資が手堅いということになりました。

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