投資でFIREするといったことが話題になることがあります。特に仮想通貨は動きが激しいこともあり、一発逆転を夢見て始める人が多いのですが、そのほとんどが資金を失うことになっています。夢を見るどころか絶望を見せられることになります。
もちろん運よく大金を手にする可能性もありますが、その可能性は非常に低いです。大前提として投資を始めるのなら余裕資金で行うべきです。生活資金の確保でカツカツならば、投資を始めるよりも余裕資金を確保することが先です。
余裕資金があるから投資の成功可能性が高くなるのです。一発逆転を狙おうとしたらそれは投資ではなくギャンブルです。その理由を解説します。
投資にはリスクが伴う
投資はおすすめできます。ただし、余裕資金の範囲内で正しいやり方の投資をすることが絶対条件です。ただ投資と一言にいっても株、債券、外国為替、仮想通貨などたくさん種類があります。変な取引をしなければ、どの投資商品を選んでも大きな損失が出ることはないでしょう。
投資をする以上、多かれ少なかれ価格変動のリスクを負わなければいけません。自分はどこまで価格変動を許容できるのかをしっかり見極めてから投資をすることが鉄則です。
これを知らずに、どの商品が儲かるかを探していてもまったく意味がありません。投資初心者はいくら稼げるかということに目が行きがちですが、一番初めに考えるべきことはどの投資商品が儲かるかということではなく、自分がどのぐらいのリスクを許容できるのかを考えることです。
例えば、貯金が100万円ある人が10万円を失うのと、貯金が1000万円ある人が10万円を失うのでは、同じ10万円でもダメージが違います。
リスクの許容範囲をはっきりさせれば、その範囲内で優れた利回りの投資商品を見つけることのスタートラインに立てるのです。投資は一発逆転の手段ではなく、余裕資金をじっくりと増やしていくものです。にもかかわらず、一発逆転という考えで投資をする人が後を絶ちません。
繰り返しますが、一発逆転を狙ってもうまくいくことはほぼありません。詳細な理由を2つ下記にて解説します。
理由① 大きなリターンを得るためには大きなリスクを背負う必要がある
リスクとリターンは表裏一体です。基本的には大金を得たければそれ相応のリスクを負わなければありません。つまり、大きな資金を失う可能性があるということです。
コイントスをイメージすると簡単です。表か裏に賭けて当たったら掛け金が賞金としてもらえるとしましょう。このギャンブルで100ドル賭けたとすれば、当たると100ドルがもらえます。このとき、1000ドル賭けれていれば1000ドルもらえるのです。掛け金を変えるだけで大きな賞金がもらえます。
ここだけ見ると、賭け金を大きくすればするほど期待値が大きくなるように見えます。ですが、外れた時のことを考えると1000ドルかけたほうが損失は大きいです。コントトスだと表か裏かで簡単なので、外れた時のことを考えることができると思います。
でも、これが株や仮想通貨になるとわからなくなる人が多くなるのです。つまり、相場が下落しているのに損切りできずにロスカットとなり資金のほとんどを失ってしまうのです。
リスクを度外視して仮想通貨などの値動きの激しい商品に投資していれば、一時的には利益が出たとしてもいつか必ず痛い目にあいます。
理由② リスクの高い商品には手数料がかかることが多い
信用取引には手数料がかかります。現物取引と比較すると次のようになります。
現物取引 | 信用取引 | |
---|---|---|
取引手数料 | 取引額の0.1% | 取引額の0.1% |
保有手数料 | なし | 1日あたり保有額の0.1%前後 |
例えば、仮想通貨の信用取引だと、取引手数料だけでなく、保有しているだけで手数料がとられます。つまり、長く保有しているほど手数料がかかる仕組みになっているのです。一方で現物取引ならば取引手数料だけで済みます。
保有手数料の恐ろしいところは、長く持てば持つほどじわじわと手数料がかかることです。1週間ぐらいならまだしも、1か月以上保有するとなると手数料を少なく見積もっても3%を超えてきます。そして、1年保有したままだと30%以上になります。
年利30%というのはリボ払いよりも利率が高いです。それでも1日0.1%と書くと大したことのないように見えるのが不思議です。
年利30%の手数料を取られたうえで利益を出すのは、相当運がいいか的確な銘柄分析ができなければまず不可能です。
投資は余裕資金ですること
生活資金で投資をすることは絶対にしてはいけません。生活防衛資金の確保が優先で、資金に余裕ができたら投資をすることが原則です。
もし、生活資金で投資しようものならそれがリスクの低い商品でも、わずかな値動きが気になり精神衛生上良くありません。お金を得るために投資をしているのに、お金のことばかりを考えてお金に縛られていては本末転倒です。
初心者でも簡単にできることとしては、信用取引に手を出さないことです。レバレッジをかけなければロスカットの危険性がなくなるので資金のコントロールが楽になります。
まとめ
投資が一発逆転の手段にはならない理由を解説しました。注意するべきことは、余裕資金の範囲内で投資をして、信用取引には手を出さないということにだけです。これを意識するだけで、そう簡単に破産することはないでしょう。信用取引にはそれほどリスクがあるのです。
大きな損失を出してから後悔しても遅いです。まずは少額から始めてみて、値動きに慣れてから金額を大きくしていけばいいのです。