税金

【解説】仮想通貨にかかる税金はどれくらい?本当に半分も取られる?

2021-10-22

仮想通貨の税金について詳しく知っているでしょうか。何も知らずに仮想通貨で利益をだすと税金で半分とられるという話を聞きますが、何の税金が何パーセントの割合でかかるから、利益の半分がとられると説明できる人は果たしてどれほどいるでしょうか。

一般的には会社勤めをしているだけで副業をしていなければ、確定申告をしたことがないと思います。そこで、仮想通貨で利益を上げると具体的にどれくらい税金がかかるか解説します。

仮想通貨にかかる税金

はじめに、仮想通貨の利益に何の税金がかかるか説明します。仮想通貨の利益は「雑所得」に分類されます。なので、所得税と住民税がかかります。また、会社員やアルバイトの給料は「給与所得」に分類されます。

給料からは所得税や住民税、そして、厚生年金と社会保険料と雇用保険料が天引きされています。さらに40歳以上になると介護保険料が天引きされます。

かなり種類が多いのですが、実際はこれらの税金や保険料の計算は全部会社がしてくれるので、給料をもらう立場の人は税金のことをほとんど意識していないでしょう。

しかし、仮想通貨の利益は天引きされていないので、自分で税金を納めなければなりません。とはいえ、ポイントを押さえればそこまで難しいものではありません。

厚生年金や保険料は会社がすでに支払ってくれているので、仮想通貨の利益には全く関係ありません。なので、確定申告をして所得税と住民税の計算をすればいいことになります。

本当に半分も取られるのか

仮想通貨の利益が税金で半分とられるということはよっぽど利益を出さない限りあり得ません。結論を書くと、仮想通貨で税金が半分も取られるというのは年間の所得が1800万円を超えている人だけです。億単位の利益を出せば半分以上が税金で取られますがそのような人はごくごく一握りです。まずは所得税の利率を確認しましょう。

出典:国税庁

例えば、1800万円以上の利益を出すと40%の所得税がかかり、さらに住民税が約10%となるので税金が50%となります。また、4000万円以上の利益だと所得税が45%となるので同様に計算すると、税金が55%となります。つまり、仮想通貨で1800万円以上の利益を出すと、税金で半分取られてしまいます。

注意しておきたいのは、この表は所得金額に対する所得税の割合だということです。例えば、年収が400万円のサラリーマンの場合は、仮想通貨で600万円以上利益を出すと所得額が1000万円となり、所得税が40%になるので注意しましょう。

この表は仮想通貨の利益だけでなく会社からの収入も合わせて計算します。とはいえ、仮想通貨で1000万円以上の利益を出している人は極めてまれだと思います。

会社の給料にもよりますが、仮想通貨の利益が100万円程度ならかかる税金は20から30%程度です。例えば、会社からの給料が400万円で仮想通貨の利益が100万円なら総所得は500万円なので所得税が20%で住民税が10%となるので税金は30%となります。

仮想通貨の利益が税金で半分持っていかれるというのは、何千万円と利益を出したごく一握りの人を指しているだけです。しかし、仮想通貨での利益の大小にかかわらず税金で半分持っていかれると勘違いしている人が多くいるようです。

実際は数万から数十万円単位の取引ならほとんど税金は気にするレベルではありません。それでも、利益が一定のラインを超えると確定申告が必要になります。

確定申告について

仮想通貨の利益は「雑所得」に分類されます。なので、仮想通貨で20万円以上の利益を出すと確定申告が必要になります。数千万円の利益を出す人はごく一握りですが、20万円以上となると結構の人が当てはまると思います。

確定申告の時期は毎年2月中旬から3月中旬までです。過去の例として、2020年度の確定申告の時期は2021年2月16日から4月15日でした。当初は締め切りが3月15日だったのが、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言のため4月中旬まで延長となりました。

通常は締め切りが3月中旬なので、早めに確定申告を済ませましょう。締め切り直前になると税務署は非常に混雑します。

住民税で会社に仮想通貨がばれることがある

確定申告の時に住民税の支払いによっては会社に住民税の通知が来るのですが、去年の所得によって決まります。仮想通貨の利益があると会社の給料よりも多い金額の納税通知がくるので、そこでばれてしまうわけです。

会社に仮想通貨がばれないようにするのは簡単です。数は確定申告書ですが、その書き方に少し注意をすればいいだけです。

住民税の徴収方法の欄には「自分で納付」に丸をしましょう。そうすれば、仮想通貨の利益分の住民税は自分で納めることになり、仮想通貨の利益が会社にばれることはありません。5月前後に納税通知書が自宅に送られてくるので、忘れずに納税をしましょう。

特別徴収というのは会社が住民税を納付する方法です。ここに丸をすると仮想通貨の利益分の住民税も会社が納税するので副業がばれるだけでなく、おおよその利益もわかってしまいます。なので、会社に仮想通貨がばれたくないのなら、自分で納付の欄に丸をします。

税金は必ず納めましょう

国税庁の調査は非常に厳しいです。税金から逃れることはまずできません。悪質な場合は重い延滞税が課さられてしまいます。

税金から逃れようとするのではなく、初めからきっちりと税金を払っておくのが一番良いです。せっかく仮想通貨で利益を上げたのに、余計に税金を払っていては何のための投資かわかりません。税金を払うために投資をしている人などいないはずです。

一時的にばれなかったとしても、数年後に調査されるケースもあります。仮想通貨で利益を出したら、最終的には銀行などに資金を移動させるため、国税庁は資金の動きを把握することができます。

脱税のことを考えるよりも、いかにして仮想通貨の利益を大きくするかに時間を費やしたほうが有意義というものです。

まとめ

仮想通貨の税金について解説しました。20万円以上の利益を出したら確定申告するということだけ意識すれば大丈夫です。

初心者は税金のことを考えるより、そもそも仮想通貨で利益を出せるかどうか考えたほうがいいでしょう。税金のことを心配するのは利益を出してからでも十分です。捕らぬ狸の皮算用とならないようにしましょう。

-税金